品川駅改良工事レポ+高輪ゲートウェイ駅の様子(2019/11/18) -7回目の切換工事完了-
11/15(金)終電後から、7回目(正確にはII期改良工事の2回目)の線路切換工事が行われた品川駅。
工事終了後の11/18(月)に、切換後の品川駅・新線の様子と、高輪ゲートウェイ駅の様子を見てきました。
まずは、今回行われた線路切換工事の概要について。
<2019年11月 線路切換工事の概要>
※クリックで、別ウインドウに原寸大(1100x670)の画像を表示します(PNG形式 273KB)
上図の通り、山手線の内回り・外回りと、京浜東北線北行の3線が、
高輪ゲートウェイ駅を通る新線に切り替わり、
品川駅の京浜東北線北行ホームが3番線から4番線に変更になりました。
今回の記事では、以下の順に取り上げていきます。
①3本の新線と高輪ゲートウェイ駅の様子
②新線の真下に存在する高輪橋架道橋の現状
③使用が再開された品川駅4番線と、使用停止になった品川駅3番線の様子
<品川駅周辺で行われている工事>
※クリックで、原寸大(1100x670)の画像を表示します(PNG形式 260KB)
※切換工事直後の記事のため、画像が多め(約70枚) となっています※
まずは、今回の切換工事での一番の目玉となる、
3本の新線と、高輪ゲートウェイ駅の様子を。
「田町駅~高輪ゲートウェイ駅」「高輪ゲートウェイ駅」「高輪ゲートウェイ駅~品川駅」
に分けて、写真を載せていきます。
最初に「田町駅~高輪ゲートウェイ駅」の様子を。
<田町駅>
切換工事が終わり、列車が走るようになってからまだ3日目のため、
新線の手前には臨時信号機が用意され、65km/hの速度制限がかけられていました。
ちなみに、運転再開直後(土曜日の16時頃)は45km/hの速度制限でした。
<田町側切換換地点 1/6>
田町側の切換地点を、札の辻橋から。
真新しい新線が、これまでとは違う方向へ伸びていました。
<田町側切換換地点 2/6>
切換地点では、15日(金)の終電後から16日(土)にかけて新線の軌道工事が行われましたが、
新線と干渉しない位置については後日撤去となり、旧線の軌道が短く残されていました。
<田町側切換地点 3/6>
切換地点の架線は、
新線と交差する、山手線の「外回り旧線」「内回り旧線」のみ、切換工事当日に撤去され、
京浜東北線の北行旧線の架線は残っていました。
<田町側切換地点 4/6>
京浜東北線の北行新線の直前で切断された、北行旧線のレール。
<田町側切換地点 5/6>
事前に長マクラギが挿入され、マクラギ上でレールのスライドが行われた、山手線外回りの線路。
今後、長マクラギは、再び通常のPCマクラギに交換されることになります。
北行の新しい立体交差からの眺めは、以下の写真の通りでした。
<北行立体交差 1/2>
海側(進行方向右側)には、車両基地の札の辻留置線があり、
日中時間帯は、サンライズ瀬戸・出雲用の285系も(屋根だけ)見えます。
<北行立体交差 2/2>
山側(進行方向左側)には、役目を終えた北行旧線の立体交差が。
そう遠くないうちに解体が始まるでしょう。
<保守車両基地>
その北行立体交差の下には、新しく保守基地が誕生し、
モーターカーやトロッコが留置されていました。
<新線からの様子 2/2>
今のところ、新線からは第一京浜沿いのビル(の裏側)が見えていますが、
再開発が始まれば、あっという間に過去の景色になるでしょう。
続いて、高輪ゲートウェイ駅の様子を。
<高輪ゲートウェイ駅 1/6>
これまでは、京浜東北線南行のみが高輪ゲートウェイ駅を通過していましたが、
山手線・京浜東北線の全4線が高輪ゲートウェイ駅を通過するようになったため、
新駅の内部の様子は、これまでよりも格段に観察しやすくなりました。
<高輪ゲートウェイ駅 3/6>
駅中央の吹き抜け部の様子。
とてつもない開放感でした。
<高輪ゲートウェイ駅 4/6>
切換工事にあわせて報道公開された際に、メディア各社から公開された写真・映像にも映っていましたが、
既に「高輪ゲートウェイ」の駅名標が設置済みでした。
【参考】Youtube テレ東NEWS 高輪ゲートウェイ駅を公開 (2019年11月16日公開)
<高輪ゲートウェイ駅 5/6>
それ以外の案内サインなども、かなり設置が進んでいました。
<高輪ゲートウェイ駅 6/6>
ちなみに、今回の切換工事で、
全ての線路が高輪ゲートウェイ駅の中または裏側を通るようになったため、
駅舎の外観は、かなり確認し辛くなっています。
(写真は車町児童遊園から)
<旧線の様子 1/2>
その車町児童遊園は、すぐ隣を山手線や京浜東北線が通る「電車の見える公園」でしたが、
切換工事によって、それも過去のものとなりました。
<旧線の様子 2/2>
旧線の線路はそのまま残っていますが、架線は既に3線とも撤去済みでした。
また、これまで、高輪ゲートウェイ駅は全方向を線路に囲まれ、公道と接していませんでしたが、
切換工事により、山手線と京浜東北線北行が移設されたため、
公道(第一京浜)と新駅を結ぶ、「補助332号線」の工事が本格化していました。
<補助332号の工事 1/2>
補助332号線の起点となる、港区高輪2丁目の「泉岳寺交差点」。
写真奥に向かって、補助332号線が建設されます。
現在、泉岳寺交差点はT字路ですが、補助332号線の建設によって十字路となります。
<補助332号の工事 2/2>
補助332号線の予定位置には、これまでコインパーキングがありましたが、
既に閉鎖されていました。
補助332号線の位置については、以下の資料が分かりやすいです。
内閣府ウェブサイト 国家戦略特区『東京都市計画道路の変更(案)』
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai6/shiryou6.pdf
※上記PDFの2枚目
続いて「高輪ゲートウェイ駅~品川駅」の様子を。
<新駅~品川駅間 1/3>
高輪ゲートウェイ駅から少し品川寄りの線路脇では、工事桁の組み立てが行われていました。
今さら、使用開始後の新線に工事桁を挿入することは無いはずなので、
新線以外の場所で使用されるものでしょう。
現在、品川駅の地下で建設が進む地下物流施設の工事の過程で、
8番線・9番線の地下を掘削することになるため、そこで使用されるものである可能性が高そうです。
【参考】品川駅周辺での工事+今後の切換工事について (2018.12.19)
<新駅~品川駅間 2/3>
新線の脇に準備された、北口広場の人工地盤の鉄骨などなど。
<新駅~品川駅間 3/3>
新線の手前で切断された、旧線のレール。
続いて、品川側の切換地点の様子を。
<品川側切換地点 1/9>
新線の線形は、品川駅のすぐ北側で、高輪ゲートウェイ駅の方向へ大きくカーブします。
<品川側切換地点 2/9>
この位置には、山手線電留線へと繋がるシーサスクロッシングがありましたが、
すっかり過去の光景となりましたね。
引き上げ線の跡には、工事車両が通行するための鉄板が敷かれていました。
<品川側切換地点 3/9>
旧線の架線については、田町側の切換地点と同様に、
新線と交差する「外回り旧線」「北行旧線」の架線については切換工事当日に撤去され、
山手線内回り旧線の架線のみ残っていました。
<品川側切換地点 4/9>
新線と被らない位置の旧線については、
田町側と同様に、後日撤去となるようです。
<品川側切換地点 5/9>
4番線から伸びる京浜東北線北行の新線については、
工事が完了した状態で切換工事当日を迎えたため、見た目の変化は、
レールが銀色に光るようになった…くらいでしょうか。
<品川側切換地点 6/9>
3・4番線ホームの北側には、切換工事に使用された軌陸車が留置され、
撤去された旧線の枕木が積み上げられていました。
<品川側切換地点 7/9>
品川駅の1番線・4番線にも、臨時信号機が用意されていました。
<品川側切換地点 8/9>
新線へと繋がる架線については、
敷設された時点ではセクションインシュレータが挿入され、新線の架線は無加圧の状態でしたが、
切換工事の(遅くとも)2~3週間前には銅線で短絡されて、加圧された状態になっていました。
<品川側切換地点 9/9>
切換直後(18日)の時点では、セクションインシュレータが残った状態のため、
パンタグラフが通過する度に、大きな音とともにアークが飛んでいました。
セクションインシュレータは既に不要となっており、いずれ撤去されるため、期間限定の光景となります。
続いて、新線の真下に存在する、お化けトンネルこと高輪橋架道橋の現状を。
<高輪橋架道橋>
高輪ゲートウェイ駅の北側に存在する、高輪地区と芝浦地区を結んでいる地下道「高輪橋架道橋」ですが、
幅員・高さともに不足しており、緊急車両の通行も不可の状態のため、
地上部分の再開発にあわせて、地下道を置き換える「第二東西連絡道路」の建設が計画されています。
(余談ですが、9月の台風15号襲来時に冠水した影響からか、かなりドブ臭かったです…)
<芝浦側出口>
既に、高輪側の入口・芝浦側の出口では、支障物の移転工事などが始まっています。
11/17(日)および11/19(月)に行われた「第二東西連絡道路整備工事説明会」では、
港区より以下の説明がありました。
・令和2年4月より自動車通行止め
・第二東西連絡道路は令和13年度完成。ただし、歩道部分については令和8年度完成。
・令和2~8年の間も、地下などに用意される通路で歩行者のみ通行可。
高輪橋架道橋を今の姿で見られるのは、あと5ヶ月程度となります。
完成まで10年以上を要する理由ですが、
東海道線や新幹線の直下での工事となり、作業時間が終電から初電までに限られるため、とのことです。
この「高輪橋架道橋」ですが、地上に繋がる階段が2箇所あり、
かつては関係者の行き来に使用されていた…らしいです。
<出口跡 1/2>
2箇所の階段のうち、高輪寄りの階段については、
テンキー付き電子錠がついたドアで封鎖されています。
隙間から覗き込むと…
明らかに地上へと繋がっていました。
電車の走行音も聞こえてきます。
京浜東北線の北行立体交差の下に存在する、
この、いかにもな感じの階段が、高輪橋架道橋に繋がっていそうです。
<出口跡 2/2>
もう片方の、芝浦寄りの階段については、
金網で封鎖され、金網の奥はブロックで行き止まりとなっており、
埋め立て済みのような雰囲気です。
続いて、使用が再開された品川駅4番線と、使用停止になった品川駅3番線の様子を。
過去のレポートと同様に、大井町寄りから。
<3,4番線 大井町寄り 1/8>
4番線側の使用が始まり、点字ブロックが4番線側へと伸びていました。
<3,4番線 大井町寄り 2/8>
4番線へ電車が発着するのは、2018年6月以来、約1年5ヶ月ぶりになります。
<3,4番線 大井町寄り 4/8>
4番線の大井町側での切換地点の様子。
田町側の切換地点には5キロポストがあり、こちら側には7キロポストが。
偶然にも、田町側・大井町側の切換地点とも、端数の無いキロポストが立っているんですね。
<3,4番線 大井町寄り 5/8>
3番線の架線は、
新線の架線と交わらない位置(切換地点の少し手前)で引き止められていました。
<3,4番線 大井町寄り 6/8>
4番線側については、ホームドアの設置に対応した状態で使用再開を迎えており、
2020年度第1四半期までに、ホームドアの使用が始まる予定となっています。
【参考】JR東日本ニュース「品川駅のお乗り換え利便性向上と混雑緩和及びバリアフリールートの拡充に取り組みます」(2019年2月26日)
https://www.jreast.co.jp/press/2018/tokyo/20190226_t01.pdf
<3,4番線 大井町寄り 7/8>
3番線側については、11/18現在、立ち入れる状態のままでですが、
そう遠くないうちに仮囲いの設置が始まるでしょう。
既に、仮囲い設置のための罫書き線も、ホームに記入済みでした。
<3,4番線 大井町寄り 8/8>
架線も残っており、
まだまだ「現役のホーム」の雰囲気が残っていました。
ホーム中程の様子を。
<3,4番線 ホーム中程 2/2>
大井町寄りと同じく、まだ3番線側にも立ち入れる状態でした。
今後、このホームが2番線側に拡幅され、2022年には山手線外回りホームとなります。
まだ先の話ですが、数年後には、今とは全く異なる景色になるはずです。
続いて、ホームの田町寄りを。
<3,4番線 田町寄り 2/4>
新しい4番線ホームそのものは、改良工事前と同じ位置にありますが、
点字ブロックや笠石が全て新品になり、ホームも再舗装されたため、
以前とは全く違うホームになった印象を受けました。
<3,4番線 田町寄り 3/4>
旧3番線の線路については、ホームのすぐ北側で切断され、
信号機には使用停止を示すバツ印が取り付けられていました。
線路の上をケーブルが通っている光景は、まさに使用停止中という光景ですね。
<3,4番線 田町寄り 4/4>
架線については、新線の架線などに干渉しないよう、
駅舎の鉄骨に引き止められていました。
<4番線 LCD発車標1/2>
4番線ホームでは、首都圏のJR線で導入が進むLCD発車標が稼働していました。
品川駅では、初めてのLCD発車標となります。
<4番線 LCD発車標 2/2>
これまでのLED発車標と比べて、格段に見やすくなりましたね。
<3番線 使用停止機器 2/3>
3番線ホームでは、レピーターやATOSの出発時機表示器が使用停止となり、
発車標については、「3」の数字や行先などの文字が隠された状態でした。
<3番線 使用停止機器 3/3>
ITVはまだ稼働していましたが、
そう遠くないうちに停止・撤去となるでしょう。
最後に、切換工事後の案内サインなどを。
<4番線の駅名標 1/2>
4番線側の駅名標は、
南行ホームの表示内容から、北行ホームの表示内容へと切り替わりました。
(参考:切換工事前の状態)
<4番線の駅名標 2/2>
シールの下には、来春開業予定の「高輪ゲートウェイ」の文字が用意された状態です。
<3番線の駅名標 1/2>
3番線側の駅名標については、
これまでの次駅である「田町」が隠されていました。
<3番線の駅名標 2/2>
4番線側のように、シールの下に「高輪ゲートウェイ」が隠れているわけでもなく、
シンプルに、これまでの「田町」を隠しているだけの状態でした。
<案内サイン 2/2>
コンコース階の案内サインも、
目隠しシールが剥がされ、「4」の数字が現れました。
最後に、ホーム用途の推移表を更新しておきます。
<品川駅のホーム用途推移>
※クリックで、別ウインドウに原寸大(1139x648)の画像を表示します(GNG形式 50KB)
この表もだいぶ長くなりましたね。
7回目の線路切換工事が行われた、
品川駅・高輪ゲートウェイ駅周辺の様子は以上となります。
今回の切換工事で、長く行われてきた「東海道上り線」「京浜東北線」「山手線」の移設作業が全て終わり、
品川新駅こと「高輪ゲートウェイ駅」の開業の準備が整ったことになります。
今後も、開業が迫る「高輪ゲートウェイ駅」と、
「2番線側に拡幅される3番線」「工事が進む北口広場」「撤去されていく山手線・京浜東北線の旧線」などについて、
定期的にお伝えしていく予定です。
次回のレポートは、切換工事から2~4週間後となる、
12月上旬~中旬頃を予定しています。
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コメント
いつも楽しみに拝見しております。
今日、品川駅を通りましたら、
3番線側の仕切りが田町駅側に半分ほど出来ていました。
数日中には全部仕切られると考えていますが・・・
今度、仕切りが取られ3番線が観られるのは、
山手線用のホームが完成したときになりますね!
投稿: ウエストマウンテン | 2019年11月24日 (日) 18時56分
さっそくの目撃情報、ありがとうございます。
おっしゃる通り、これまでの改良工事でホームが使用停止になったときと同様に、
数日で完全に立ち入れなくなりそうですね。
2022年の使用再開が楽しみです。
投稿: すいごう | 2019年11月25日 (月) 23時27分
11/26の日中時間帯の状態
・新線の65km/h制限は継続中
・3番線の仮囲いエリアはさらに広がり、残り2両分程度
投稿: すいごう | 2019年11月26日 (火) 23時49分
11/27終電後の作業で、
最後まで開放されていた大井町寄り2両分ほどについても仮囲いが設置され、
3番線側は全て立入不可となりました。
前日まで稼働していたITVも消されていました。
(11/28午後に確認)
投稿: すいごう | 2019年11月29日 (金) 01時37分
田町駅南側山手線外回り、合成枕木使用箇所も先週ぐらいに、PC枕木に交換されましたね。
投稿: von Kimura | 2019年12月 3日 (火) 06時55分
目撃情報ありがとうございます。
以前の切換工事では、切換工事用の合成まくらぎからPCまくらぎへの交換(戻し)が、
切換工事の1ヶ月ほど後だったこともありましたが、今回は早かったようですね。
次回のレポートの参考にさせて頂きます。
投稿: すいごう | 2019年12月 4日 (水) 01時51分
来春のダイヤ改正について報道解禁されたようで、
昨日あたりから、一斉に記事が配信されていますが、
高輪ゲートウェイ駅の開業日も、ダイヤ改正と同日の「2020/3/14(土)」となるようです。
日本経済新聞 JR東、高輪新駅でQRコード改札実験 無人コンビニも 20年3月14日開業へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52907490T01C19A2TJ2000/
>JR東は高輪ゲートウェイ駅の開業日を20年3月14日にする方針を固めた。
投稿: すいごう | 2019年12月 5日 (木) 02時51分
第一京浜との接続部分はもうすでに線路が剥がされて道路工事が始まってる。
投稿: あああ | 2019年12月 5日 (木) 15時59分
目撃情報、ありがとうございました。
日曜日の現地調査の参考にさせて頂きました。
投稿: すいごう | 2019年12月 9日 (月) 01時13分