品川駅改良工事と品川駅周辺の様子(2020/12/29)
あちらこちらで工事が進む品川駅・高輪ゲートウェイ駅周辺の様子を、
2020年末の12/29(火)に確認しました。
前回のレポート(9/26)からは、3ヶ月が経っています。
今回のレポート対象は、以下の通りです。
①高輪ゲートウェイ駅周辺、出土した高輪築堤、旧線撤去の様子
②高輪橋架道橋の現状
③京急品川の地平化工事(山手線電留線跡 ほか)
④拡幅工事が進む旧3番線ホーム
⑤北口広場の人工地盤
まずは、高輪ゲートウェイ駅周辺の様子、
再開発に伴い出土した高輪築堤の様子と、山手線・京浜東北線旧線の撤去について。
<高輪ゲートウェイ駅正面 2/4>
高輪ゲートウェイ駅の正面で行われていた「Takanawa Gateway Fest」の終了から3ヶ月が経ち、
仮店舗やイベント用テントは全て撤去され、工事現場へと姿を変えていました。
<高輪ゲートウェイ駅正面 4/4>
改札正面にある階段は撤去こそされていませんが、
封鎖されており、駅の正面へ降りることはできない状態です。
高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発エリアについては、
明治時代に鉄道を通すために建設された「高輪築堤」が出土したことが2020年11月に報道され、話題となりました。
東京新聞 【独自】「海の上を走る列車」の跡 高輪ゲートウェイ駅の再開発工事で出土(2020年11月22日 06時00分配信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/69843
>JR東日本によると、昨年4月、品川駅改良工事で石垣の一部を発見。
>高輪ゲートウェイ駅西周辺の再開発で掘削したところ、さらに石垣が見つかり、今年8月に調査を始めた。
2021年1月には、現地見学会およびWEBでの映像公開が行われます。
JR東日本 「高輪築堤」現地見学会のご案内(2020年12月10日)
https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201210_ho01.pdf
この現地見学会の当選ハガキはすでに発送済みらしく、
管理人(すいごう)は落選したようです…。
現地見学会は、1月の10日・11日・13日のわずか3日間ですが、
再開発現場の正月休み期間を利用した公開のようで、これは仕方ないですね…。
<高輪築堤を探す 2/2>
高輪築堤は、再開発エリアのど真ん中から出土したため、
外部からしっかり観察するのは、かなり難しいようです。
<かすかに見える高輪築堤 2/2>
京浜東北線北行の車内や、高輪ゲートウェイ駅の3階からであれば、
かろうじて石垣の上部が見えます。
<高輪築堤の様子>
また、高輪ゲートウェイ駅から少し歩くと、フェンスの隙間からちらっと見える箇所もありました。
築堤の下部は石垣がよく残っているようですが、上部は石垣が失われている箇所が多いようです。
かつて、築堤を埋めたときのダメージかもしれません。
それでも、100年以上前に作られた築堤がよく残っていたな…と驚かされました。
<旧線撤去の様子 2/2>
9月の時点でほぼ終わっていたJRの旧線撤去の様子ですが、
2020年12月現在、完全に撤去が終わり、新線旧線の合流地点ではフェンスが設置されていました。
続いて、高輪橋架道橋の様子を。
2020年4月より自動車通行止めとなり、
その後、中間付近で天井が撤去されるなどの動きがあった高輪橋架道橋ですが、
年明けより、新たな工事が始まります。
天井が撤去された場所で、1/13から4月下旬の工期で、
『架道橋の壁を一部撤去し、新たに仮設通路を設置する工事』が行われるそうです。
架道橋の天井が撤去された場所は、
2020年12月現在、このようになっていますが、
この場所に仮設通路へと繋がるスロープ付き階段が設置され、
ここから高輪側では、仮設通路へと切り替えられることになりそうです。
【参考】港区ウェブサイト『第二東西連絡道路の整備について』(2020年1月30日更新)
https://www.city.minato.tokyo.jp/dobokukeikaku/documents/02_setumeisiryou.pdf
⇒説明資料のP22に、工事中の歩行者動線についての資料が掲載されています。
ちなみに、ここで取り上げている道路ですが、
「高輪橋架道橋の下を通る区道」なので、『高輪橋架道橋下区道』が正確な呼び方なのだそうです。
(「高輪橋架道橋」で特に問題なく通用するので、今のところあまり使い分けを気にしてはいないのですが、念のため)
続いて、山手線の電留線跡などで行われている、京急品川駅の地平化工事について。
<山手線電留線跡 2/2>
山手線の電留線跡は完全に更地になりました。
<地平化工事予定箇所 1/2>
北寄りも完全に更地となり、地平化工事の開始を待つばかりになりました。
<地平化工事予定箇所 2/2>
京急品川駅では壁の一部が撤去され、柱や梁が見えるようになりました。
京急品川駅の地平化工事の詳細については、これまでは不明なところも多い状態でしたが、
昨年11月に、東京都環境局のサイトに環境アセスメント 事後調査計画書が掲載され、施工順序が明らかになりました。
(ブログのコメント欄でURLをご紹介いただきました。ありがとうございました。)
東京都環境局 「京浜急行電鉄湘南線(泉岳寺駅~新馬場駅間)連続立体交差事業」事後調査計画書(2020年11月13日更新)
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/assessment/information/toshokohyo/publishdetail/339_keikyu_tosho_jigok.html
平面図・縦断図・配線図は「事業の目的・内容等②」に、
施工順序の概要は「施行計画及び供用の計画①」に、
施工時期は「事後調査報告書の提出時期」に、それぞれ掲載されています。
詳細は環境局のサイトから参照していただくとして、大きなポイントは以下でしょうか。
・本格的な工事は令和2年度第4四半期から
・京急品川駅は現位置のまま仮設化され、仮設構造物の間を計画線が通る
・京急下り線と引き上げ線は、JR側に用意される仮線に移動する
掲載されているのは、あくまで「施工順序の概要」なので、
細かい線路切り替えなどは省略されている可能性もありそうですが、
現時点では、この資料がかなり重宝しそうです。
<京急品川駅地平化工事 仮線予想図>
上の写真で赤の実線になっているの現在の上り線、
赤の破線になっているのが、環境局の資料を元に予想した上り線の仮線位置になります。
仮上り線はJR側に膨らむようなので、このように線を引きましたが、
おおまかなフリーハンド作図なので、参考程度でお願いします…。
余談になりますが、昨年末に撮影機材をCanon PowerShot SX720 HSとへ更新し、
35mm換算で960mmまで撮影できるようになりました。
JRの品川駅から、泉岳寺へと繋がるトンネルの銘板が撮影できるとは驚きです…。
続いて、ホーム拡幅工事が進む3番線ホームについて。
<3番線 大井町寄り 2/2>
前回のレポートでは、3番線の大井町寄りではホーム桁の組み上げが始まっていましたが、
それから3ヶ月が経ち、ホーム上屋の組み上げが行われていました。
<3番線 田町寄り 1/3>
ホーム中程からホーム田町寄りでも、
ホーム床となるPCコンクリ板の設置が終わっていました。
新3番線については、使用開始の時点でホームドアが設置されるため、
ホーム拡幅と並行して、ホームドアに関する設備の整備も行われています。
(写真の赤矢印:ホームドアのケーブルラックを吊すための金具)
<3番線 田町寄り 2/3>
新3番線の停車位置は、現2番線より1両分ほど北寄りに移動するようです。
<3番線 田町寄り 3/3>
3・4番線ホームの北寄りにある階段より先には列車が止まらないため、
上屋は完全に撤去され、さっぱりとした状態になっていました。
最後に、北口広場の人工地盤について。
<人工地盤上のクレーン 2/3>
品川駅の北側で建設中の、北口広場の人工地盤ですが、
3ヶ月のうちにかなり広がり、人工地盤上に大きなクレーンが据え付けられていました。
<人工地盤上のクレーン 3/3>
これまで人工地盤を観察していた6番線ホームの端では、
人工地盤が覆い被さるような状態になってきました。
<人工地盤に繋がるスロープ 2/2>
京急下り線の車内から観察すると、
JRの旧線跡地を活用して、人工地盤に繋がるスロープの建設が始まっていました。
品川駅と高輪ゲートウェイ駅周辺で行われている工事の様子は以上となります。
2021年のレポートですが、これまと同様に2~3ヶ月間隔でお伝えする予定です。
次回は3月頃を予定しています。
【今回の参考資料】
港区ウェブサイト『第二東西連絡道路の整備について』(2020年1月30日更新)説明資料のP22
https://www.city.minato.tokyo.jp/dobokukeikaku/dainitouzai_setumeikai.html
https://www.city.minato.tokyo.jp/dobokukeikaku/documents/02_setumeisiryou.pdf
東京都環境局 「京浜急行電鉄湘南線(泉岳寺駅~新馬場駅間)連続立体交差事業」事後調査計画書(2020年11月13日更新)
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/assessment/information/toshokohyo/publishdetail/339_keikyu_tosho_jigok.html
東京新聞 「海の上を走る列車」の跡 高輪ゲートウェイ駅の再開発工事で出土(2020年11月22日 06時00分配信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/69843
JR東日本 「高輪築堤」現地見学会のご案内(2020年12月10日)
https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201210_ho01.pdf
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コメント
情報アップありがとうございます。順調に進んでいるようですね。
築堤は撤去しかないでしょうね、一部でも保存できないものでしょうかね。
3番線ホームも順調に進んでますね、階段も当然拡張するんでしょうね。
京急の方の下り仮線のトンネル出口は現在より横に10mほどずらした位置で開削で
やるようですね、説明書によると。最深部は11mとありますから相当深い穴になりそうですね。
投稿: 通天丸 | 2021年1月 2日 (土) 02時37分
年が明けても、コロナ肺炎の収束どころか、緊急事態宣言を出さないとならない程、酷くなっていますから、すいごうさんにおかれましても、
くれぐれもコロナ肺炎には、充分にご注意願います。品川駅はそれでなくても、乗降客の多い駅ですから、
投稿: 鉄道マニアより | 2021年1月18日 (月) 16時31分
ご心配いただき、ありがとうございます。
年が明けてからは、都内方面への移動は控えています。
新3番線の工事がかなり進んでいるようなので、気になってはいるのですが、
このような情勢なので仕方ないですね…。
投稿: すいごう | 2021年1月19日 (火) 01時28分